※この話に出てくる名称は全て仮名であり、実際の業者や個人名については一切お答えできません。あくまで、実話をもとにしたフィクションとして、お楽しみください。
前回のおさらい
自分の土地が含まれている山を勝手に売買されたと主張する森田さんと
イノシシ夫が初対面。衝撃の展開にテンションだだ下がり。この後も波乱の予感!
帰宅後
マイ山キャンプから帰宅後、トミーに状況説明。
「何それ!?これっていったいどうなるの!?怖い怖い怖い」
・・そりゃ怖いですわね。
不法侵入やら、窃盗やらの文字が見えたときは、気が動転すると思いましたし。
今現在私たちが何かする事は無いですが、一部とは言え、
自分の山が自分の物じゃないかもしれないというのは、気分がよくありません。
一刻も早く真相を知り、解決したいところです。
次の日
亀田さんからの電話です。
「あー、えーと亀田だけど・・・」
あんたたちが橋を架けようとしてるあの場所だけどね、ちょっと物言いが入ってるんだわ。
だから、いったん中止ね。
亀田さんには、マイ山に侵入するための橋の建設をお願いしています。
田舎での出来事は、すぐに近隣に広がります。
森田さんの件ですよね?
そうそう、なんだ知ってんの?
とにかく、このままじゃどうにもならないよ。困ったねぇ。
・私たちの山は、他人の土地をまたいで侵入する必要があります。
・他人の土地をまたがず侵入するためには、川に橋を架ける必要があります。
・森田さんの主張する土地の場所は、川の対岸に位置します。
現状だと、森田さんの土地に橋を架ける事になるため、いったん中止とのこと。
・・・そりゃそうだ。
私たちの山をキャンプ場らしくするためには、他人の土地をまたがず、堂々と入れる手段が必須です。
また、車が入れる橋がないと資材を運ぶこともできず、設備も整いません。
・・・あー、頭がいたい
ということで、森田さんのお宅へ突撃しました。
森田さんが主張している土地は、数十坪。
この小さな面積の土地を、彼は一体どうするつもりなのか。とにもかくにも、それを確認する必要があります。
私たちは、今度は夫婦でもう一度森田さんと話をしてみることにしました。
森田さん宅にて
すみませーん
あ、こないだはどうも
初めまして、トミーです
挨拶もそこそこに、改めて今回の経緯と森田さんの意向を確認しました。
まず、森田さんの意向は以下です。
森田さんの意向
・主張している土地は、特に今後も使うつもりはない
・自分の土地がある可能性があるのに、何の断りもなく売買されている事実が許せない。
・山神さんにその事実さえ認めてもらい、何らかの謝罪があれば手打ちにしてもいい。が、できればその面積分を適正な土地評価額で買い取ってほしい。
お金や土地どうこうではなく、筋を通してほしかった。というのが本音とのこと。
・・・むべなるかな。という感じです。
土地を相続して以降、山神さんに何度掛け合っても相手にされず、役所や法務局へ赴いたり
近隣住民の証言をとるなど、自力で証拠となる資料を集めていたそうです。
こんな事になってすいませんね、同じ地域ですから。仲良くしましょう。
最初の印象はアレでしたが、話せばわかるいい人なんです。
私達もできるだけ地域の方々と穏便に関係を保ちたいと考えており、争う意思は全くありません。
その意思表示と、できる範囲では協力する旨を伝えてこの場は終わりました。
森田さん宅、その後。
森田さんの意向は意向として、今回ヒアリングしたお話を基に、今ある事実を整理します。
・森田さんの主張する土地は数十坪。登記簿上は存在するが公図に記載がない。
・森田さんの主張する土地は、イノシシ夫婦の山に存在するという証拠(図面)はない。
・森田さんの主張する土地がイノシシ夫婦の山に存在する。という主張は10年前くらい、親戚の証言に基づいている。
10年前、あそこは雑木林って聞いててね。キノコか何か栽培してたって言ってたよ。
今じゃ木も切られちゃってて、わからなくなってるけどね。
・・もちろん、木を切ったのは私達ではありませんし、誰が何の目的で切ったのかも不明。
該当の土地が、私たちの山の中にあるという10年前の親戚の証言もその親世代からの口伝えであり、昔と今とは現況も変わっていて、主張しているような切り株や、目印となる樹木は現存していません。
つまり、登記簿上の土地はどこかに存在するが、イノシシ夫婦の山にあるという根拠が極めて薄い。
ということです。
十分な証拠があり、森田さんの主張が事実なのであれば、気持ちは十分に理解できるものであり、私達も協力をしますが、私達の山の中にその土地があるという証拠がない以上、協力できる範囲は限られます。
トラブルは続くよ、どこまでも♪
森田さんのお宅訪問以降、マイ山に行けない日々が続きましたが、
先日、やる気満々でマイ山に到着するイノシシ夫婦が目にした、驚愕の光景とは⁉
次回に続きます!