※この話に出てくる名称は仮名です。個人を特定するような行為は絶対におやめください。
侵入者、現る
それは、突然の出来事でした。
すいませーん、ここおたくの土地?ちょっと確認したい事があるんだけど
友人とマイ山で冬キャンプを楽しんでいたある日の朝
見知らぬ男性が訪ねてきました。
おたくが使ってるこの土地、一部私のモノなんだよね
…ちょっ、何?何?いきなり
あのさ、おたくこの土地を買ったとき、境界を誰と確認した?それと・・・
この日は、グングン君が久しぶりに会う友人を招き、朝の焚火とコーヒーを楽しんでいるところでした。
キャンパーなら分かる、至福の時。
そんな平和な時間を破り、ズンズン近寄ってくる見知らぬ男性。怖い(*_*)
一緒にいた友人は困惑の表情を浮かべています。
ちょっと、場所変えましょうか。
何ですかいきなり?というか、貴方は何者ですか?
あー、私は森田。この近くのモンだけど。
その名は、森田。近くのモンだけど
森田さんは、元々実家がこの山の近くで、
最近まで首都圏で仕事をしており、定年退職後、近所の土地を相続されたとのこと。
話を聞くと、私たちの山の中に相続されたはずの土地があり、それが無断で売買されていた。との事。
森田さんの手には分厚いファイルを携えており、そのファイルを開きながら一方的に持論を展開してきます。
ファイルの内容は、土地の図面や登記簿の写し、現況写真や過去の現地写真。
そこには、「不法侵入」や「森林窃盗」など、なにやら物々しい文字がチラホラ。
ただならぬ事態になりそうな予感がしました。
こっからここまでの場所、あるでしょ?おたく勝手に使ってるけど、ここウチのモンだから
いきなり言われても、何の事だかわかりません。
それと、そこに書いてある不法侵入とか窃盗とか、どういう事ですか?
それを言うなら今、あなたが私の土地に不法侵入してきてませんか?
こちとら、友人との至福の時間を台無しにされています。黙っている事はできません。
あー、ごめんごめん。そういうつもりじゃないんだ。
おたくを疑ってるわけじゃない。いうなれば、おたくも私も被害者ってこと
・・・被害者?なんの事ですか??
えーとね、おたくが山を購入した人いるでしょ?あの人と・・・
嘘だと言ってよ森田さん
話を整理すると以下です。
・森田さんは最近この辺の土地(土地A)を相続した。面積は数十坪。
・登記簿上、土地Aは確かに存在するが、公図にはその記載がない。
・親戚に話を聞いてみると、土地Aはイノシシ夫婦の山の中の一部だと言う。
・イノシシ夫婦は山神さんから山林を購入した
・山神さんは、この山に土地Aが含まれているのを知っていて、イノシシ夫婦に山を売却した。
当然、そんなこと知る由もない=被害者
自分の土地を無断で売却された=被害者
森田さんは、以前から山神さんに事実確認をしているが、何度確認しても埒が明かないため
現所有者であるイノシシ夫婦に、直接事実確認に来たとの事でした。
逆の立場だったなら、自分の土地を無かった事にされて売買されていたら、確かに憤るだろうなぁ
最初の印象こそあれ、少し森田さんが不憫に思えてきました。
森田さんは以下の事実を確認して、この日は帰っていきました。
・山神さんから土地を購入したことは間違いないかどうか。
・山神さんから土地を購入したときに、森田さんの土地が含まれている旨の説明が本当になかったかどうか。
楽しかった冬キャン、からの・・・?
お楽しみの中、いきなり邪魔してごめんね。
私も近くに住んでるからさ、近所同士仲良くやろうよ。じゃ、また。
・・・いやいやいや、解決すんのコレ!?
キャンプサイトでは、まだ友人が一人で焚火を楽しんでいました。
すごいね、こんなんしょっちゅうあんの?
いや、ないでしょ^^:あったら身が持たんわ
思わぬ山林購入のリアルな場面を目の当たりにした友人も興味深々の様子。
せっかくのキャンプが最後の最後、台無しになってすまん
いや、良いもの見せてもらったよ(・∀・)ニヤニヤ
・・・・よくないわ!
境界トラブル・・・。
山林購入のトラブルの代表格として、話には聞いていました。
よもや、この段階で実際に経験することになるとは。。。
続きます!