今回の土地取得について、かなり頭を悩ませることになった分筆。
この分筆とは何なのか?について説明します。
土地の分筆とは?
分筆とは、登記簿上の一つの土地を複数の土地に分けて登記をする手続きのこと。
土地は1筆、2筆と数えますが、土地を分けることは「筆」を分けることになるので分筆と言います。
土地の分筆をする場合は、平成16年の法律改正から、分筆後の土地の全部を測量して面積を計算することになり、
その前までは、分筆後の一部については公図からの残地差し引きで計算をしていたとのことです。
よく分からないですか?大丈夫です。以下で説明していきます!
分筆が必要になるケース
①土地の一部を売却するとき
→土地の一部を「切り売り」したい場合、手放したい部分を分筆して売却すれば、
残りの土地は所有し続け ることができます。
②土地の一部を利用するとき
→例えば、農地は耕作以外の用途に利用することはできませんが、
地目変更することを前提に分筆をすれば、建物の建築や駐車場など、他の活用ができるようになります。
③共有の土地を、それぞれの単独所有に分けるとき
→共有の土地の場合、全体を売却するときには共有者全員の同意が必要になるため、
土地を売りたくても共有者の1人でも反対すると売却ができません。
共有の状態を解消するためには、共有者それぞれの持分に応じて土地を分筆し単独所有にする必要
があります。
あとは、土地に抵当権をつけるときも分筆する場合があります。
今回は、分筆ができない…というか難しいケースに該当し、できないケースは以下になります。
分筆ができないケース
分筆を行うためには、分筆前の土地の境界が確定している必要があります。
しかし、隣地所有者との間に境界トラブルがある場合は、境界が確定できないので分筆ができません。
また、隣地の所有者が行方不明で境界が決められない場合も同様です。
平成16年の法改正とは何か?残地差し引きとは?
不動産登記法が改正されました。
改正された内容は多岐にわたりますが、土地の分筆についても言及されております。
詳しい内容は省いて、超簡単にまとめます。
平成16年より前、土地は「公図」での取引が主流でした。面積も公図記載のものを信じて取引していました。
しかし、その「公図」は面積や境界があいまいな事が多く(特に山林)
平成16年以降、分筆の際は対象となる土地の面積や境界を厳密に定義しなければならなくなりました。
図にすると以下になります。
上記のようなケースの場合、平成16年以降は、土地③の面積が本当に1300㎡かどうか改めて測量を行い、
隣地である土地①と土地②の所有者立ち合いのもと、境界も確定させることが必要となりました。
今回は、なぜ分筆が難しかったのか?
今回、イノシシ夫婦は、以下の理由から分筆で土地を譲ってもらう事を諦めました。
①山神さんが分筆しようとしていた土地は、実はかなり広かった。
→分筆するには、公図上のその土地の面積を全て測量する必要があります。
今回、対象となる土地の広さはかなり広く(12ha以上)測量するには多額の費用がかかります。
そして、測量費用はすべて買主負担。
②山神さんの分筆しようとしていた土地の隣接所有者が不明。
→分筆するには、その土地の境界を確定する必要があります。
境界を確定するには、隣接所有者の立ち合いが必要となります。
今回の土地はかなり広いため、その土地の隣接所有者も多岐にわたります。
その中には連絡がつかない方や、存在しない法人もあり、立ち合いが不可能かつ、
いつ確定するかも不明な場合も多いとのこと。
交渉を終えて
正直、知らない事のオンパレードですし、相手もプロなので交渉が難航しました。
素人が山林購入する際は、多少お金を払ってでも信頼できる不動産屋を介して買うのが一番のような気がします。
この記事が少しでも参考になればうれしいです!